麦みそ
作り手や時間により変化する味もおもしろい
麦みそは、麦を蒸し麹菌をつけて作る麦麹に、大豆、食塩を混ぜ、発酵熟成させて作ります。麦麹特有のふんわりした甘みのある、素朴な味わいが特徴です。
鹿児島のみそのほとんどは麦みそで、多くの家庭で、それぞれの味のみそが作られていました。全国的には米みそが多い中、鹿児島では庶民にとって米は高価で、麦のほうが安価で手に入りやすかったこともあり、麦みそが広まったようです。
温暖な気候に合わせ、麹の量を増やして、熟成期間が短く甘みが強いのが特色です。他地域のみそが半年から1年熟成させるのに比べ、1~2か月でも使用することができます。
現在も、近所同士で集まってみそ仕込みを行うことも多いですが、同じように仕込んでも、家庭に持ち帰ると、保存方法によりそれぞれの味が違っていくのも面白いです。
材料(できあがり10kg)
大麦 | 4kg |
米 | 600g |
みそ用種麹 | 1袋 |
大豆 | 1.2kg |
塩 | 1kg(混ぜこみ用900g、ふり塩用100g) |
作り方
- 麦と米を洗って8時間水に浸し、ザルにあげ30分したら、1時間蒸す。40~35℃の人肌程度に冷まし、みそ用種麹を混ぜ込む。
- (1)をもろぶたなどに5cm厚さになるように入れ、33~35℃前後になるようにし、24時間後、米の表面に白い菌糸が生えたら全体をほぐし、さらに12時間後にほぐした後、混ぜこみ用の塩を混ぜる。
- 大豆はひと晩水につけ、蒸すか煮て指でつぶれる程度までやわらかくする。
- 大豆をつぶし、(2)と混ぜる。均一になるように混ぜ、空気を抜くようにして丸いみそ玉をつくる。
- 容器はアルコールをキッチンペーパーにふくませて拭き、(4)を押し込みながら詰め、ふり塩を表面にまんべんなく振り、みその表面にラップを密着させて敷く。
- 漬物用の落としぶたをしてその上に2、3kgの重し(水を入れたペットボトルなどを利用)をし、1、2カ月室内の涼しいところで熟成させる。