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結城登美雄先生を偲んで ~お別れの会と追悼スピーチ

結城登美雄さん お別れの会 追悼スピーチ
10月18日(日)宮城県仙台市で開催された
「結城登美雄さん お別れの会」に参加させていただきました。

先生に長く深くかかわってこられた、
西大立目祥子さん、上野建夫さん、板垣幸寿さん、小山厚子さん方が実行委員会を作って下さり、
しみじみとした温かさと、力強さを持ったお別れの会を準備してくださいました。
当日は全国各地より約200名の方が会場に駆けつけられ、
久しぶりにお会いする方々も多く、結城学校の同窓会のようでした。

舞台には先生のお写真と、先生の関わってこられた地域より、
稲わら、干し柿、干し大根などの産物が届き、
鬼首神楽保存会の皆様による神楽で開会、まさに結城先生ワールド。
有難いことに、追悼スピーチの一人に選んで下さり、
先生への思いを、自分の言葉でお伝えさせていただきました。
さらにありがたいことに、日本農業新聞にも、スピーチの内容を掲載してくださっていました。

また、会場入り口には、結城先生の等身大パネルがおかれ、
皆、思い思いに先生とのツーショットを楽しんでおられました。
結城先生への感謝は尽きませんが、先生に出会えて、本当に良かったです。
以下は、スピーチさせていただいた内容です。
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結城登美雄先生
先生、鹿児島からまいりました。
昨日は、霧島山麓の標高400メートルの農園で稲刈りでした。
地域の子どもや大人とともに、「米を作る」「この地の食文化を伝える」「植え方から食べ方まで」を大切にしてきた霧島食育研究会の活動は、23年、途切れることなく続いております。

私が先生と出会ったのは、23年前のことです。
そのころ私は40歳で、人生の折り返し地点に立ち、一生をかけて取り組む何か、自分の命のあかしとして残すべき何かを探していました。
「霧島で霧島の食育」を目指して、霧島食育研究会を立ち上げたばかりの頃でした。

そんな時、偶然目にした雑誌で、福岡の森千鶴子さんの書かれた宮崎町の「食の文化祭」と、それを発案された結城先生の記事に出会いました。
普段の食卓の中から一品を持ち寄って開かれる「食の文化祭」と、「20世紀、私たちは何を食べてきたのか。
そしてこれから何を食べていくのか」という問いかけに、強く心を動かされました。
そして、先生の「ないものをねだるのではなく あるものを探す」という言葉に出会った時、私の心の在り方が変わりました。
土地や人、田畑、作物、生き物を見る目が変わり、人生そのものが変わっていきました。

その言葉に背中を押されて霧島でも、霧島でしかできない「霧島・食の文化祭」を開こうと決めました。
その年の11月、第一回「霧島・食の文化祭」を開催し、テーマは「子や孫に残したい霧島の食は何ですか」としました。
これは、先生の「お年寄りや子どもにもわかりやすい言葉で、地域の当たり前の食の大切さを呼びかける」という教えに、私なりに応えようとしたものでした。
地域の方々に、日々の暮らしの中にある「食と思い」を聞き取り、持ち寄られた家庭料理が並びました。
その中に、高菜のおにぎりを持ってきてくださった女性がいました。
「この料理への思い」の欄には、子どもの名前を呼ぶ母親の声が書かれていました。
「やすこー、きよみー、さとるー。母ちゃんは畑ん行ってくっでね、おやつに高菜ん握飯があっでねー」。
早くに母を亡くしたその女性は、今でも高菜のおにぎりを握るたびに、自分の名前を呼ぶ母親の声が聞こえると話してくれました。
私はその時、これこそが霧島の食なのだと思いました。
この料理に込められた思いこそが、霧島の暮らしであり、地域の誇りなのだと感じました。
霧島の地で、食を通して、たくさんの喜びや悲しみに出会ったことは、私自身が霧島の暮らしに分け入り、自分の居場所を見つけることにもつながっていきました。

それから20年を超え、今年も12月6日に第21回「霧島・食の文化祭」を開催いたします。
先生、23年間、本当に面白いです。楽しいです。
「この一日があるから、残り364日が面白い」。
そんな一日を、この文化祭がつくってくれています。

今年のテーマは、「食べる」「生きる」「思いをつなぐ」です。
先生の視点、思い、願いを受け継ぎ、遠く霧島で、米作りを通して日本の米を守る大人となる子どもを育て、食を通して地域の宝を見つけ、発信していきたいと思っております。
先生が残してくださったまなざしは、これからも霧島の暮らしの中で生き続けると信じております。
先生の弟子として、これからも人生をかけて取り組んでまいります。

結城先生との出会いは、私の宝です。
食の文化祭のポスターを送るたびに、お電話をいただき、「霧島すげえよ」「千葉さんすげえよ」と励ましてくださったこと、決して忘れません。
本当にありがとうございました。
先生、これからもずっと見守ってください。

最後になりましたが、本日このような席で、先生への言葉をお伝えする機会をいただきましたことに、心より深く感謝申し上げます。
令和8年10月18日
NPO法人霧島食育研究会理事長 千葉しのぶ